■討議テーマ
他社特許の壁を突破する!(第02弾) 容器詰液体調調味料(特許第4772580号)
■討議内容
今回は、
前回と、同じく、
他社特許の壁を突破する!
をテーマに討議を進めました。
前半は、
について、継続討議でした。
改めて、
①この発明の本質がどこにあるのか?
を、発明の「課題」から定義しました。
公報には、
【0003】
前記従来の多芯筆記具は、
ユーザーが、交換前に軸筒内に収容されていた筆記体とは異なる種類の筆記体に交換する際、
摺動体(注1)を軸筒内に残した状態で、摺動体から筆記体と隆起部とを取り外し、
その後、摺動体に新たな筆記体と新たな隆起部とを取り付ける。
>つまり、ボールペンの芯を変えるということですね
(注1)「しゅうどうたい」とか「しょうどうたい」などと呼びます。摺動とは、滑らしながら動かすことをいいます
そのため、筆記体の交換作業が複雑であり、
ユーザーが迅速且つ確実な交換を行うことができないおそれがあり、
さらに、複数の筆記体を同時に交換する場合、
誤って、筆記体とその筆記体に対応しない隆起部とを一つの摺動体に取り付けるおそれがある。
>ボールペンの芯を変える際に、例えば、「赤インクの芯」に、「青色の隆起部」をセットしてしまう可能性があり、芯の交換が手間ということですね
と書かれています。
この事実から、
②「課題」が生じる根本要因を探る
と、筆記体と隆起部が小さく、また、バラバラに存在しているため
ボールペンの芯を変える際に、例えば、「赤インクの芯」に、「青色の隆起部」をセットしてしまう可能性が生じる
ということがわかりました。
また、なぜ、「バラバラに存在させたい?」という点も考えると、
推測の域は出ないですが、おそらく、「組み立てが容易」であるという、
製造プロセスの問題があるからと思われます(価格競争の世界なので、少しでも製造プロセスをシンプルにしたい)
最後に、
③独立項を構成要素に分解し、「解決手段」として必須の要素を把握
をしました。
この特許の独立項は【請求項1】のみになります。
分解すると、以下のようになります。
【請求項1】
A 軸筒内に複数の筆記体を前後方向に移動可能に収容し、
B 前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結し、
C 軸筒の側壁に前後方向に延びる複数の窓孔を径方向に貫設し、
D 前記各々の窓孔から径方向外方に前記各々の操作体を突出させ、
E 一つの操作体を窓孔に沿って前方にスライドさせることにより、その一つの操作体に連結された筆記体のペン先を軸筒の前端孔から突出させるとともに、
F 先に突出状態にあった他の筆記体のペン先を軸筒内に没入させる多芯筆記具であって、
G 軸筒の後端に、窓孔を後方に開口させる開閉自在の開口部を設け、
H 前記開口部を介して筆記体及び操作体を、軸筒内から取り外し可能且つ軸筒内に挿入可能に構成した
I ことを特徴とする多芯筆記具。
この中から、上記「課題」が生じる根本要因を解決している手段は、
B 前記各々の筆記体を弾発体により後方に付勢し、前記各々の筆記体の後端に、各々の筆記体に対応した操作体を連結し、
では?と特定しました。
図1 多芯筆記具(特許第4689513号)
「対応した操作体」が「連結」されていることにより、
「バラバラ」になるという課題を解決できます
芯の入れ替え作業を「1回的」に終わらせることができており、
紛失防止、誤って組み立てることを防止などを実現しています
したがって、
「筆記体に対応した操作体」で、かつ、特許侵害に該当しない多芯筆記具を生み出せれば、
回避発明としては、合格点です
紙面の都合上、当日出たアイディアは割愛いたします
後半は、
を題材として、討議致しました。
花王は、つい先日、
減塩についてトクホを取得したばかりです。
ある意味「ホット」な特許と言えるかもしれませんね。
こちらは、時間の都合上、
技術内容の理解までで、終了でした(次回も継続討議です)。
一見すると、かなりシンプルな特許であり、
一筋縄ではいきそうもありません
もし、ご興味あれば、ブログをご覧の方も、
「ここをこうすれば、抵触しないのでは?」
とアイディアを出してみてはいかがでしょうか?
次回、実際に出たアイディアの一部について、
ご紹介させて頂く予定です。
■次回のテーマ
第3回は、
他社特許の壁を突破する!(第03弾) 容器詰液体調調味料(特許第4772580号)
を行う予定です(継続討議)
■参加を希望される方
実践的知財勉強会への参加をご希望される方は、
企画・広報担当の湯浅までご一報ください!
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